心身医学の観点から疾患を精神ー身体ー社会と総合的に加療し、
病気になりにくい心身の状態を形成します。
心療内科は、1996年に標榜科として認められました。
心療内科は、主に心身症を診る科ですが、心身症とは「身体症状ないし身体疾患のなかで、心理・社会的ストレスが経過や予後に大きな役割をはたす病態」と定義されています。この心身症という診断名は、国際的精神障がい分類としては呼称されてはいません。
そのため平たく云えば、「心療内科は、ストレス関連疾患を診る科である」とした方が分かりやすいかもしれません。
心療内科のベースには、心身医学があり、疾患を精神ー身体ー社会と総合的に診ていくことを心がけています。当該科は、守備範囲が比較的広く、神経症(不安症、強迫性障がい、など)からストレス関連疾患、適応障害、軽症うつ病まで診ています。
治療的には薬物療法(西洋学、漢方薬)、支持的精神療法、認知行動療法的治療、自律訓練法、東洋医学的治療(禅的精神療法、座禅、内観療法など)を病態に応じて折衷的な治療を行っています。
病気を治すことばかりではなく、病気になりにくい心身の状態を形成することも重要です。「健全な肉体に健全な精神が宿る」これは然り、「病は気から」これも然りです。
「心身一如」をもってこれを診立て加療しています。
精神・神経科で診る病気と心療内科で診る病気
主に精神・神経科で診る病気
統合失調症(精神分裂病)、双極性障害(躁うつ病)、重症のうつ病、人格障害、アルコール依存症、てんかん
心療内科、精神科どちらでも診る病気
- 軽症の気分障害(うつ病、うつ状態)
- 神経症的障害(全般性不安障害、心気障害、強迫性障害、社会不安障害など)
- パニック障害、適応障害
- 摂食障害(拒食症、過食症)
主に心療内科で診る病気
- 身体症状関連症(自律神経失調症、不定愁訴症候群など)
- 心身症
- 過敏性腸症候群、胃・十二指腸潰瘍、FD(機能性消化障害)、心因性嘔吐、呑気症、高血圧症、気管支喘息、糖尿病、甲状腺機能亢進症、更年期障害、月経前緊張症、痙性斜顎、書痙、眼瞼けいれん、チック、円形脱毛症、舌痛症、心因性失声症、緊張性頭痛など
- 身体疾患に伴う不安、抑うつ状態